2011年7月22日金曜日

マスクサ

マスクサ
Carex gibba Wahlenb.


マスクサの花穂。これはちょっと上下につまっている。
マスクサという、身近なカヤツリグサ科スゲ属の植物。最初見た時ちょっと惑わされた。マスクサってもう少し長く伸びた茎に花穂が転々とつく感じ、ちょうど足掛けが飛び出た電信柱みたいに。この写真は一番下の花穂は離れているけど、上の部分は互いにほとんどくっついている。


典型的な写真が・・・なかった。また紹介しよう。

2011年7月21日木曜日

コモチシダ

コモチシダ
Woodwardia orientalis Sw.


小高い山の小さな小川沿い、北向きの斜面に大きなシダが生えていた。葉の長さは1.5mほど。おおきい!大きいシダは、南国にきた気分にさせる。


このシダ、なんだか表面にツブツブが見える。
小川沿い、北向き斜面に生えるコモチシダ
 よくみると、小さな葉っぱのような・・・
葉の表面。小さな“芽”が出ている。
これは、無性芽と呼ばれる芽。ゆくゆくはこの芽が落ち、地面に根付くのでしょう。つまりこの芽は「子ども」。子どもをたくさん葉の表につけるからコモチシダ(子持シダ)。


最近、「子持ち」というのにえらく同情するようになった。がんばれ!

2011年7月18日月曜日

タシロラン

タシロラン
Epipogium roseum (D.Don) Lindl.
タシロラン全体
職場の自然系講座に参加されている方が自主的に山を調査されていて発見されました。残念なことに花は終わりかけ。白っぽい色をしているのは、この植物が光合成に必要な緑色の色素(葉緑素)を持たず、菌類と共生し栄養をもらっていきているため。地下にはジャガイモのような部分があり、ここで菌と共生しているのでしょう。

タシロランの花
タシロランの「タシロ」は植物学者の「田代善太郎」が発見されたことにちなむ。

コクラン

コクラン
Liparis nervosa (Thunb.) Lindl.


コクランの花
標高が低いところに発達する常緑広葉樹林に生育するため、比較的身近に観察できるランの花。コクラン(黒蘭)というけど、紫がかった褐色と言うべきか。


茎の根元は太く多肉質で瑞々しい感じ。この部分が漢方に使われるとか聞いたことがあるけど、何に効くんだろう。調べようとしたけど、コクラン共同計画(治療、予防に関する医療テクノロジーアセスメントのプロジェクト)の検索結果がたくさん出てきて目当てのものにたどり着けない・・・


検索窓に「コクラン -cochran -レビュー -ライブラリー -ポケモン -トム -エディ -トマス」とたくさん入れてようやく植物のコクランの検索結果が出るようになったけど、それでも漢方の話題は出てこない。もしかしたら、民間療法の類いか・・・

2011年7月16日土曜日

ナミギセル

ナミギセル
Stereophaedusa japonica (Crosse, 1871)




貝殻の長さが1.5センチメートルくらいの、キセルガイの仲間。これも息子が通う中学校の敷地内で見つけました。貝殻の口の反り返りと表面のしわがカッコいい!!


貝に詳しい方に話を聞いたところ、ナミギセルは熊本県では比較的最近見つかったそうで、その後も、人家の近くや今回のような学校など、人の出入りがある場所に限ってみつかっているそう。


どんな分布をしているのか、広がり方をしているのか、ちょっとフシギ?

アズキガイ

アズキガイ
Pupinella rufa (Sowerby, 1864)




息子の通う中学校で見つけた小さな貝。貝の長さは大体1センチくらいでしょうか。写真はややオレンジがかって写ってしまったけど、濃い紅色というか、本当に小豆のような色合いで、形も小豆っぽい。地面等にたくさんいると、本当に小豆がちらばっているみたい。


普段はどこに隠れているか知らないけれど、雨上がり等にはい出してきている。体は黒く、細い触覚が二本。貝の口には丸いフタがある。同じ陸の貝でもカタツムリにはフタがない。一口に陸の貝といっても、いろんな仲間がいるようです。

2011年7月13日水曜日

オキギセル

オキギセル
Vastina vasta (Boettger, 1877)


雨上がりの山を散策中、落ち葉の上で食事をしている貝を発見。キセルガイの仲間、オキギセル。


陸上の貝の知名度No.1はカタツムリなんだろうけど、このキセルガイの仲間も意外にたくさんいる。キセルガイの「キセル」は「煙管」のこと。細長い形をタバコを吸う煙管になぞらえたんだろう。


陸上の貝は、淡水の貝もそうなんだけど、海の貝に比べるとちょっとツヤもないし、薄くてもろい。陸上は、貝殻の材料となるカルシウムが不足しがちな環境のためらしい。




<追記>
寝ぼけてますね。つい2回ほど前にオキギセルで記事書いているじゃないですか。すみません。

2011年7月5日火曜日

アミガサダケの仲間

アミガサダケの仲間
Morchella sp.




過去の写真の整理をしていたら出て来た画像。二年くらい前の3月に撮影したものなので、今山に行ってもないんだろうな。


種類を調べようと思ったけど、やはり実物がないとむずかしい・・・いや、きのこに詳しい人はすぐ分かるんでしょうけど。


この仲間は、この春、阿蘇にわらび狩りに行ったときもみました。このときはウドを掘るのに夢中で写真撮ることすら忘れてた・・・


傘の形が独特で面白いですね。

2011年7月2日土曜日

サツマスゲ

サツマスゲ
Carex ligulata Nees ex Wight




比較的平地の山で見つけました。サツマスゲのサツマは薩摩(鹿児島県)で良いのかな?。日本のスゲ (ネイチャーガイド)では大体関東より南となっているので、良いのかもしれない。


カヤツリグサの仲間とか結構マイナーだけど、個人的に一番しびれるのは規則性。このサツマスゲなんて、規則正しい間隔で葉(苞:ほう)と花穂(小穂:しょうすい、という)が並ぶ様は、ついつい「かっこいい〜!!」と思ってしまう。


この花穂、写真で目立っている部分は雌花(めばな)が集まっているもので、実はこの時、ほとんどタネが実っている。雄花(おばな)はどこかと言うとこの茎の先端、うすく茶色がかった細い穂がそれである。


さて、雌花の穂をよく見ると小さなツブツブがあつまっている。これがひとつの花であり、実であるが、これは果胞という袋に包まれている。これはカヤツリグサ科の中でもスゲ属だけの特徴である。


で、なんでこんな小難しいことを説明したかと言うと、このサツマスゲ、その果胞に短くて白い毛がミッシリと生えていて、日の光に当てながら観察するとそれはそれは美しいんです。ぜひぜひ、見てみてくださいな。


じゃあ、なぜ写真を載せないかって?いやぁ、コンデジしか持ってなくて、撮影できないんですよね。デジタル一眼、欲しいなぁ・・・

オキギセル

オキギセル
Vastina vasta (Boettger, 1877)


最近よく入る、というか、今年は定期的に入って生物相の調査をしようと思っている山で見つけました。キセルガイの仲間。


キセルガイのキセルはタバコを吸う煙管(きせる)のこと。形がよく似ているからかな。このキセルガイの仲間の特徴は、貝が左巻きなこと。貝を立てに置いて、って分かるかなぁ?貝の螺旋軸を縦にして、貝の先端を上、口を下に置いた時に、口が左側に空けば左巻き、右に開けば右巻きなんだけど・・・


こいつ、結構大きいです。1.5cmくらいかな。山に入った時に、この環境ならキセルガイの仲間がきっといる!と思って、雨上がりを狙って山に入った時に見つけました。他にはオカタニシとかツクシマイマイとか。


始めて採った種類だったのでうれしかったな。

2011年7月1日金曜日

ウスキキヌガサダケ

ウスキキヌガサダケ
Dictyophora indusiata (Vent. : Pers.) Fisch. f. lutea Kobayashi


キノコの同好会の例会に参加させて頂いてみることができた、キノコの女王。とてもよく似た形で真っ白なキヌガサダケがあって、これは、その黄色型だそうです。なんとも綺麗なものですね。雨上がりの林床でよく目立っていました。個人的には「女王」の呼び名に黄色ってあわない気がするけど。

このキノコ、朝からのびはじめて、ほんの小一時間でレース部分が伸びて優雅な姿になり、昼にはしぼんで倒れてしまうそうな。その短い間に胞子(子孫を残すための細胞、植物の種子のような役割をもつ)をまき散らして、次の世代を残すわけです。

で、その胞子をまき散らす方法。キノコの胞子っていったら「風でフヨフヨ」なイメージですが、彼女(?)らはハエ等の昆虫を使います。このキノコのあたま、黒っぽい部分で胞子が作られているんですが、ここが湿ってぺたぺたしていて、クサイ!!。知らずに匂ってかなりおどろいた。
つまり、においでハエ等の昆虫をおびき寄せ、ぺたぺたと昆虫の脚に胞子をくっつけ、運んでもらう。

きのこ会の方々にいろいろ教えて頂きました。キノコをいろいろ工夫しているんだなぁ。

シラスゲに集まるアミメアリ

Carex doniana Spreng. and Pristomyrmex punctatus


山を歩いていたら、遊歩道の脇にカヤツリグサ科のスゲが生えている一角があった。
多分シラスゲCarex doniana Spreng. 多分っていうのは、シラスゲにしてはあんまり白くなくって???思ったから。


小穂(しょうすい:はなのあつまったもの)は垂れ下がっている。でよく見るとありがわらわら。あつまってなんかしてますねぇ。捕まえて調べてみたらアミメアリPristomyrmex punctatus ただ、アリの同定にはかなり良い顕微鏡が欲しい。
頭部、胸部は網目のようにゴツゴツしてるのに、お尻はつるんといい感じ。たくさん集まって何してるのかと思ったけど、ありの中に少しアブラムシが混ざっていた。アブラムシの出す液を集めにきてたのかな。