2012年11月17日土曜日

ホソバヒメミソハギ

ホソバヒメミソハギ
Ammannia coccinea Rottb.
(ミソハギ科 LYTHRACEAE)
水田に入り込むホソバヒメミソハギ
水田が赤く染まっていた。赤米を植え付けたにしては不規則に植わっているなと思ったので近づいてみると、稲の間から赤く紅葉した草がたくさん生えていた。赤い草は水田に入り込んだ雑草だった。

全体真っ赤になったホソバヒメミソハギ。
ホソバヒメミソハギ。熱帯アメリカが原産で、今や世界中に帰化しているらしい。かなり鮮やかな赤色に紅葉している。もう花は終わって結実しているようだ。結実期になると赤く染まるのだろうか。

ほかの田んぼでは、まだ花がさいているものを見つけた。
開花しているホソバヒメミソハギ。
こちらはまだ緑色。葉は根元が横に広がった細い矛のような形で、二枚の葉が茎をはさんで向かい合うようについている。葉の出る方向が、上下の葉で90度ずつずれてるので、はが互い違いに出ているように見える。この規則性はなかなか美しい。花はやや薄い紫色の花びらを4枚つけてかわいらしい。

2012年11月13日火曜日

ツリフネソウ

ツリフネソウ
Impatiens textorii Miq.
(ツリフネソウ科 BALSAMINACEAE)

道端に咲くツリフネソウ
車を運転している時に目の端に赤紫の花を捉えた。車を止めて近づくとツリフネソウだった。うーん、うれしいねぇ。なんとなく。

正面から見たツリフネソウの花。意外に間抜け。
ツリフネソウの名は、船のような形の花をつり下げたように咲かせるからか。正面から見ると意外に間抜け顔・・・ちょっとかわいそうか。

小学校なんかで植えるホウセンカやホームセンターの園芸コーナーなんかで見かけるインパチェンスは、このツリフネソウの仲間。

ツリフネソウについて調べてたら、分かりやすいページを発見。
なかなかの植物ルーム ツリフネソウの花のつくり
このページによると、ツリフネソウの花には、主に花粉をつばす雄性期と、くわえてめしべが受粉できるようになる両性期があるそうだ。この写真は緑色のめしべが見えてきているので両性期に入っているかな?

ページの主、なかなかさんはこういった花の構造や仕組みを、キチっ、キチっと確認されるのですごいなぁといつも関心。私は相当、必要に迫られないとしないので、見習わなければな、といつも思う。思うだけじゃダメだけど・・・

2012年11月12日月曜日

マメアサガオ

マメアサガオ
Ipomoea lacunosa L.
(ヒルガオ科 CONVOLVULACEAE)
マメアサガオの花
少し前のことだけど、田の畦に小さなアサガオの花がさいていた。直径2cmくらいの白いアサガオ。

マメアサガオ。北アメリカからやってきた外来生物。まっ白のアサガオは目立ってきれい。

2012年11月10日土曜日

ハキダメギク

ハキダメギク
Galinsoga quadriradiata Ruiz et Pav.
<キク科 ASTERACEAE>
踏みしだかれ成長の悪いハキダメギク

足下をふと見ると生長の悪い草が一本。あー踏んじゃった・・・キクの仲間、ハキダメギク。牧野富太郎が掃き溜め(ごみ捨て場、ゴミを掃いて集めておく所)で見つけたことによるらしいけど・・・


ハキダメギクの花のアップ。
白く飛んじゃいました。
キクの仲間なので小さな花が集まってこの花(花序)ができている。キクの仲間の花の花びらは、アサガオの花びらのように根元がひとつに繋がっている合弁花(ごうべんか)といわれる形になっている。

まん中の黄色い部分は、筒状花(つつじょうか)とよばれる花が集まっている。筒状花の花びらはふちがあまり広がらず、筒(つつ)型なのでこう呼ばれる。

ふちに五つある白い花の花びらは、ふちの一カ所だけが舌(した:べろ)のようにのびていてこんなに目立っている。舌状花(ぜつじょうか)とよばれる。

先日この場所に行ったら、よく育ったハキダメギクがわんさか,繁っていた。元気だ。

2012年11月9日金曜日

ブラジルチドメグサ

ブラジルチドメグサ
Hydrocotyle ranunculoides L.f.
(セリ科 APIACEAE)

ブラジルチドメグサがおおう水路
もう稲刈りも終盤かという頃、水路がえらく青々している・・・なにかなぁ〜と思って近づくと、ブラジルチドメグサ。

ちょっと荒いけど、拡大。
直径3〜4cmと結構大きいけど、チドメグサの葉っぱだ.
まるで水面をはうように茎をのばし、節から葉や根を出す。最初にちょっとした足がかりがあればそこから茎をのばして成長し、上の写真のようなマット状の群落を作る。

原産地は南アメリカ、つまり日本においては外来生物。どのようにしてか日本に入り込み生きている。その繁殖力のすごさから特定外来生物に指定されている。

なんと日本で最初に発見されたのは熊本県の菊池川。阿蘇の白川付近の池にもあるらしい。近年、熊本市内の江津湖にもはいり、えらい勢いで増えている。で、この場所は上記のどこでもない、坪井川水系。

最初は菊池川と白川、江津湖は緑川水系、で今回の坪井川水系・・・がんがん広がっとるなぁ・・・

2012年11月6日火曜日

クロシタナシウミウシとその卵嚢

クロシタナシウミウシ
Dendrodoris fumata (Ruppell & Leuckart, 1831)
(クロシタナシウミウシ科 DENDRODORIDIDAE )

クロシナタナシウミウシ(画面下の黒い物体3つ)と
卵嚢(黄色いバラの花状のもの)

またまた季節外れなんだけど、この夏見たクロシナタナシウミウシ(おそらく)。磯の転石をめくったらいた。

成体のほうは黒い色にオレンジ色の縁取り、水につけておくとウミウシ(海牛)の名の通り牛の角のような触覚と、背中にゆらゆらとしたえらを出す。

画面まん中の黄色いものは卵の固まり。バラの花のような感じで渦巻き状に石に引っ付けていた。3体の成体は卵嚢を守っているのか、産んでる途中だったのか・・・

クロシタナシウミウシのシタナシってなんだろう?と調べたら、「舌無し」ということらしい。巻貝などは歯舌というヤスリのような舌をもっている。この舌で海藻などの食べ物を削り取ってたべている。ウミウシはこう見えても貝の仲間で、多くの種はこの歯舌をもっているらしい。しかし、このクロシタナシウミウシは歯舌を持っていない。そのことから来た名前のようだ。

歯舌といえば、大学生のころ、この歯舌を取り出して観察する実習があった。同級生の女の子が「アサリの歯舌はどんなのかなぁ?」という声を聞いて、私は「アサリは濾過食だから歯舌なんてないよ」とばっさり言い放ち、まわりの人をドン引きさせた嫌な思い出がある。

理学部の学生だったんだから、せめて「ないと思うけど確認しなきゃね、解剖だー!!」くらい言えよ●十年前のおれ・・・