2018年5月15日火曜日

キンラン、このまま消えゆくのか。

キンラン Cephalanthera falcata (Thunb.) Blume
(ラン科 ORCHIDACEAE)

 先日お誘い頂いて、キンランを見に行った。とても綺麗で、美しかった。


ただ、寂しいかな。一株だけだった。多いところにはもっとあるのだが・・・



 この場所でキンランが少ないのは実は理由があって、気づく人は上の写真で気づいてしまうのだけれども。ここはたけのこ掘り用の竹林で、キンランが本来が生えるような環境ではない。キンランはブナ科樹木からなる雑木林に生育する植物で、ブナ科の樹木の根に外生菌根を作って共生するイボタケ科やベニタケ科などの菌類に頼って生活しているそうだ。
 外見は緑色をしていて普通の植物のようだが、かなり菌類に依存しているらしく、植え替えたり、鉢あげして維持するのはとても難しい。菌がいないと栄養が足りず、いずれ枯れてしまうらしい。そのため、自然保護のための移植や増殖の研究も盛んに行われている。
 竹林の持ち主のお話では、この竹林も以前は雑木林で、子どもの頃は仏さん花として摘むほどたくさん生育していたらしいが、竹林に変わり、年が経つに連れてだんだんとキンランも減ってきたそうだ。
 竹林の中にはコナラやクヌギ、クリがわずかに残されていて、そのお陰でこのキンランも生き残っていたのだろうなぁ。

 さて、キンランを見ていて、以前「ランの花は上下逆さに咲く」と聞いたことを思い出したので、近寄って花の柄を良く見てみた。

 確かにどの花の柄もねじれて、花が180°くらい回転しているようだ。なんか都合がいいんだろうなぁ。


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